「どこで吸えば…」灰皿求め“漂流”する神奈川の喫煙者(産経新聞)

 全国初の受動喫煙防止条例施行を4月1日に控えた神奈川県では、オフィス街で屋外の灰皿設置場所を探す喫煙者の姿が目立っている。複数の飲食店チェーンが前倒しで県内全席禁煙を実施する一方、条例の対象外の職場でも禁煙化が進んだとの指摘もある。受動喫煙対策の意識の高まりを背景に喫煙場所が減り、灰皿を求めて漂流する喫煙者たちの姿を追った。(寺田理恵、黒田悠希)

 横浜市中区のオフィス街、関内地区。昼下がりのドラッグストアの人だかりは店舗前に置かれた灰皿目当ての喫煙者だ。男性会社員(36)は「会社も禁煙、昼食場所も禁煙。灰皿を見ると、ほっとして吸いたくなる」と話す。

 神奈川県では受動喫煙防止条例の施行で、官公庁や百貨店、銀行など公共性の高い施設が禁煙となる。飲食店も小規模店を除き禁煙か分煙を選択する。県内では「マクドナルド」「ロイヤルホスト」といったチェーン店が前倒しで全席禁煙とし、昼食時に喫煙できる場所は減っている。

 コンビニエンスストア、たばこ販売店…。昼時ともなれば、店先の灰皿には止まり木のように喫煙者が集まってくる。

 20代前半の女性はマクドナルドが全面禁煙となったニュースを知ってがくぜんとした。「コーヒーを飲みながら吸うのが良かったのに…。来月からどこで吸えばいいのか」とこぼす。男性会社員(49)が頼りにするのは「分煙になっている喫茶店」という。

 チェーン店の全席禁煙化が先行する一方、空間を仕切って喫煙席も設ける「分煙」は煙たがられている。県が昨年11月に実施した調査でも、条例への対応を実施済みか実施予定の飲食店のうち約66%が禁煙を選択し、設備投資が必要な分煙は約19%にとどまる。

 条例を逆手に喫煙者対象サービスを検討する業者もいる。都内の店舗設計者は「風営法対象のパチンコ店などは規制が努力義務だが、3年後の条例見直しで適用されるかもしれない。それを見越し、有料の喫煙所開設を考え始めた経営者もいる。会員制なら規制の対象外だから」と明かす。

 条例施行後も喫煙可能な店は残る。飲食店では条例への対策を「検討中」「検討していない」とした店が計約66%。小規模飲食店は規制が努力義務の上、規制対象の店も過料が科されるのは1年後のためだ。

 様子見の店も多いとみられていたが、施行間際になり、県たばこ対策室には条例に関する問い合わせや相談が殺到。厚生労働省が先月25日、公共的な施設を原則として全面禁煙とするよう求める通知を都道府県などに送ったのがきっかけだった。「通知と有名チェーンの全面禁煙が後押しし、様子見だった店も動き始めた」(県たばこ対策室)。

 屋外喫煙が目立つのは「条例の対象ではないオフィスでも禁煙が進んだのではないか」(同)との見方もある。

 禁煙スペースが着実に増える中、喫煙者の居場所は残るのか。全国初の取り組みに注目が集まる。

 【神奈川県受動喫煙防止条例】受動喫煙による健康への悪影響を防止するため、公共性の高い施設を原則禁煙とする条例。学校や病院、映画館、官公庁などを第1種施設として禁煙を、飲食店やホテルなどを第2種施設として禁煙または分煙を義務づけている。強制力のない国の通知に対し、県条例には違反した喫煙者や施設管理者に過料を科す罰則規定がある。

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